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にわか東京ライフ!



にわか東京ライフ開始!

「お前、2ヶ月間東京さ行って来い!」。GWちょい前に課長に肩を叩かれ、「は?なんで?誰が?いつ?どこで?」などと言っている間にGWが終わりました。「詳しくは行けばわかる」と冗談みたいな本当のことを言われ、5/8、いまだに「?」のまま、花の大東京へと赴くのでした。
当初住む予定だった浦和・市川寮がどうやら統合計画中かなにからしく、筆者は千葉県の幕張本郷駅近くのマンスリーマンション(マンション住むなんて初めて~)に入居することになりました。
駅から2時間ほど歩き、ようやくマンションに到着(歩いて6分と書いてあったのに、なんでそんなにかかったのかしらん)。そのマンション「シティーホークC」は設備がかなり充実しており、どこかのホテルみたいにフロントがあって、ロビーや大浴場、食堂まで完備。部屋も、ホテルのシングルルームをちょっと広くしてテーブルなどが置いてある感じで、テレビやベッドやタオル、石鹸、皿やコップや冷蔵庫まであって、至れり尽くせり。しかも5階建の5階部屋なので、海浜幕張方面の夜景や海も見えて、言うことナス。一体家賃はいくらぐらいするのでしょう(と思ってインターネットで調べたら、月10まんえんでした)。
幕張本郷駅は総武線の普通電車しか停まりませんが、隣の津田沼で快速に乗り換えれば東京まで一本。京橋ビルまでは約45分といったところでしょう。

1日目

翌日、満員電車に揺られて東京初出社です。この日は一日オリエンテーション風で、今後の活動方針擦り合わせなどを行います。
筆者と同じく狩り出された精鋭は10人。若いのばかりだと思っていたらそうではなく、自分が一番若いぐらいです。
さて、この旅、いや出張の目的はどうやら「新事業(新会社設立含む)のための建材市場調査」ということで、最初の2週間はとにかく街を歩きまくって店のタイル使用状況をチェック、その後は実際に店のオーナーに会って話を聞きまくるということです。
まず、10人が2人ずつ5チームに分けられました。筆者は商品開発の永ちゃん(49)とペアに。2週間はずっと行動を共にします。見て回るエリアの地図を渡され、ついに明日から調査の開始です。

2日目

翌日、同じシティーホークに住む永ちゃん(シティーホークは6名、他は全て都内のマンションです)と新宿に向かいました。ちなみに調査期間は基本的に「出社に及ばず」で、10時から18時が調査時間です。
初日の新宿は雨で、いきなり調査には不向き。調査のやり方は、客のフリして店を覗いてタイルが張ってあったら紙に「○○屋300角床タイル茶色」などと記入する感じ。昔新人の時にやらされた「女子社員の後ろに立って2分毎に何やってるかチェック」の仕事経験がここにきて活かされます(忌~)。店の前であんまり真剣にメモったりしていると店の人が出てきたり、ヘタ打つと警備員につまみ出されたり警察呼ばれたりするため、鋭い観察力と素早い記入が求められます。あくまでも「客を装って」が基本です(客にしてはかなり挙動不審で砂)。
さて、活動前にハハンが班長を買って出た筆者、メモ係兼写真係兼歩行ルート決め係兼大型犬として、班長らしく精力的に調査を続けていきます。永ちゃんの方が商品知識があるので、「これ何ですかねー」という疑問は永ちゃん任せです。筆者のような素人にはなかなかタイル・石・塩ビなどの区別がつかず、いわんや「このタイルはウチの会社のかしらん?」などと判別することなど不可能をや。
仮にも31歳でバスケチームK-9主将、野球部2番バッター、ソフト部三塁手、ホノルルマラソン4時間55分で囲碁1級程度の筆者、49歳の永ちゃんを何も考えず引き摺り回してしまい、かなりお疲れのご様子。金曜日ということもあって、駅地下でお茶を飲んで早めのお開きとなりました。
帰りにはウドンコも行ったと記述のある日本橋「ますたに」へ(以下、何も言わなくてもたいがいラーメン屋)。ここはタレの濃さなどを自分で決められるのですが、どうやら調合を間違えたようで、ちょっと辛め。再度チャレンジせねばなりません。向かいには洋食で有名な「たいめいけん」がありましたが、一人では入りにくかったので、断念。たいめいけんにはラーメンもあるそうなので、今度行ってみたいところです。

3、4日目

慣れない仕事が始まってすぐに土日が来るのはありがたいことです。筆者はとりあえず幕張本郷と東京間の1ヶ月定期券を購入。仲間は「えっ?定期は損だと思うよ?」と言っていましたが、ちょっと計算してみましょう。
幕張本郷と東京間は片道450円なので、一日往復900円。定期券は13,500円なので、約15往復でモトが取れます。調査は東京近辺や新宿・渋谷・横浜など、ほとんどが東京を通って行く場所です。しかも、休日暇だと言って東京まで出るとしたら、結局30日間まるまる往復すると言っても良いでしょう。つまり、1ヶ月で13,500円のまるもうけ(実費で旅費請求した場合!)なのです。
このような損得勘定が瞬時に出来るのは、やはり卑しい生まれの特権でしょう。しかもこれを人に強要せず、休日に一人でこっそり購入するところが筆者の良いところでもあります。
さて、土曜日は秋葉原と四谷、日曜日は恵比寿とそれぞれラーメンを求めて三千里です。中でも恵比寿の「九十九(つくも)」は味噌ラーメンにチーズがドバドバかけてあって、チーズ好きにはたまりません。また、昔堀ちえみが好きで通っていたという香月(かづき)も美味。堀ちえみは麺を一本ずつゆっくりと食べるため、一緒に行くスタッフはかなり嫌がったようです。関係ないですが。

5日目

月曜日がやって来ました。今週も調査三昧です。
まずは、銀座。銀座通り(伊賀上野の市役所通りのことではありません)とJR線の間ぐらいが我々のエリアです。
銀座はさすがに高級ブティックなどが多く、男子の我々には入りにくい店ばかり。「客を装って」と言われても、どう見ても怪しい人です。「プランタン」というファンションビル風にも潜入しましたが、二度と行かない可能性大でしょう。
この日の夜は「三吉」へ。名古屋の三吉とは全然違います。ここは今時300円でラーメンをやっており、感心です。シンプルな東京味で、涙が止まりません。

6日目

火曜日。この日は、週に一度の営業同行の日です。2週間後の店舗オーナー調査のため、営業の心得を学ぶのです。
今回は営業のCASIOさんに同行。設計事務所に飛び込みという形でしたが、予想通り門前払いというパターンが多いらしく、慣れるまで大変だというお話。池袋駅のまわりを攻めましたが、地理に疎い筆者はどこを歩いているのかさっぱりわかりませんでした。

7日目

翌水曜日は、またいつもの永ちゃんとのペアで表参道に。表参道は大人の通う高級ブランド屋などがひしめき、銀座以上に入りにくい店のオンパレード。永ちゃんは「どうしても入りにくい」と言うので、筆者が一人で潜入です。
高級な店には入口に警備員が立っているため、店の前で書き物などしていた日には、とっととつまみ出されることうけあいです。ヘタすると警察沙汰になり、伊賀上野に強制送還されかねません(それだけは困る)。
新宿・銀座でちょっと慣れてきた筆者は歩きながら記入するというスーパーテクを覚えたため、たとえGUCCIの店だろうとモリハナエビルだろうと見逃しません。表参道では、ちょっとした小路でモデルの写真撮影をやっていたり、赤恥青恥のロケをやっていたり、「さすが東京だべさ~」と感激する場面に何度か遭遇。実際、表参道の美容院などには多くの芸能人が通うそうです。永ちゃんも「さっき芸能人見たよ。」などと言っていますが、そういうことはその時に言って欲しいものです。しかも「名前が思い出せない。まあいいや。」と。どうやら男性らしいので、まあいいや。
表参道は高いビルが少なく早く終わったので、原宿まで歩いて竹下通りを2人で歩いて(怪)帰りました。
筆者はちょっと寄り道し、渋谷の「唐(とう)そば」に。九州福岡系で、普通に美味。ついでに今度は駅南口の「博多天神」に入店。ここはかなり筆者好み。へなちょこなチェーン店といった感じ(大阪金龍風)だけど、こってりで美味です。

8日目

翌日。この日は秋葉原から上野駅の間と、かなり広いエリアに当たりました。秋葉原の電気街などは本当に庶民的で、タイルや石などほとんど使われていません。一応アメ横などもまわりましたが予想どおりタイルのタの字もなく、広い割には徒労に終わりました。最後の松坂屋だけは真剣に見て、終了。だいぶ歩いて疲れましたが、たぶん永ちゃんはもっと疲れていることでしょう。
御徒町駅から少し歩くと地下鉄の湯島駅(湯島天満宮の近く)があり、その駅の交差点に「大喜」という店があります。ここは、先日テレビでやっていたランキング99で堂々の1位を獲得した店なのです。平日だというのに、ものすごい行列。しかし、なかなかこんなところまで来る機会はないので、並ぶことにしました。待つこと40分、やっと入店。いましたいました、よこちん似の店主!残念ながら歯は出ていません。ラーメンは、旨いの一言です。ラーメンには珍しいカイワレのピリリ感がややこってり目のしょうゆラーメンと絶妙にマッチします。食べ終わったおばはん連中が「並んでまで食べるラーメンじゃないねえ」などとのたまっていましたが、「オマエの舌はふし穴かボケー!」と叫びたくなります。さすがよこちん風。いい仕事をします。

9日目

金曜日は、池袋です。池袋といえば東武百貨店。売り場面積日本最大を誇る当百貨店は、否が応でも我々を苦しめます。プラザ館とファッション館となんとか館がわかりにくい連絡通路でつながっており、「あれっ?今何館の何階?」と、自己を見失います。挙げ句の果てに永ちゃんと生き別れになってしまったりして「もうやめよう」という雰囲気が漂ってきたため、終了。
さて、この日の夜は東京支社勤務の「アキナカノの夫」ことcontinueさんと会食の約束をしており、早速ザギン(銀座)へ。continue氏は金曜日の銀座だというのに「店とってない」と恐ろしいことを言っていましたが、ラッキーなことにすぐ入れる店が見つかりました。ここは店員が全員チャイナドレス(全員といっても女子だけですが)という、チャイナドレス好きの筆者にはしんぼうたまらぬスポット。しかも我々のテーブルの係がえらいカワイ子ちゃんで、2人で「うひょ~」と言いながらチャーハンをかきこむのでした。

10、11日目

やっと土日がやってきました。土曜日はポンギー(六本木です)に出向き、一蘭へ。博多で朝から3杯食べてお腹をいわしたあの店です。変なわかりにくいビルの2階に店があり、入店。ビミョ~な時間だったので、並ばずに済みました。久々の一蘭ということで、感無量になってついつい替え玉を2度注文。実はここに来る前一杯(ラ)やっていたため、かなり満腹に。この後実は上野(くどいようですが、伊賀上野ではありません)にも一蘭が出来たことを知り、「わざわざ六本木まで来なくてもよかった」と後悔する筆者なのでした。ちなみにしばらくするとW杯のイギリスサポーターでわやになっているニュースがやっており、六本木には二度と行くことはありませんでした。
日曜日は、出張仲間のヨッスィーと千葉マリンスタジアムにロッテ-近鉄戦を観に行きました。我々は空いているレフト近鉄側に座りましたが、ライト側は超満員で、全員が白いお召し物を纏い、立ち上がって応援しています。そういえばいつぞやのK-9通信でウッチーが「ライト側ポール付近はえらいことだった」と言っていたのを思い出します。
レフト側は大変静かで、前に座っている顔に靴墨を塗った2人組がローズに向かって「アニキ~~~」と叫んでいるのが印象的。試合はロッテが珍しく打撃爆発、近鉄のお株を奪う15点で快勝。どちらかと言えばロッテ寄りの筆者はこっそり大満足でした。

12日目

調査第2週の始まりです。月曜朝は全員集まって進捗会議ですが、特に議題もなく、午後のお台場調査に向けてスタートです。
お台場へは、新橋から新交通ゆりかもめで海を渡ります。ゆりかもめでは得意の最前列かぶりつき攻撃。しかし、進む方向を間違えて最後尾になってしまいました。ゆりかもめは新橋とお台場の有明を結ぶモノレールで、レインボーブリッジを走って行くためナイス景色です。
お台場では、アクアシティーやデックスを散策。デックスのジョイポリスというゲームセンターに「モーニング娘。のアトラクション登場!」というポスターがデカデカと貼ってあり、永ちゃんを振り切って入場したい衝動に幾度となくかられながらも、もう大人である筆者は調査を続行(っていうか仕事中だし)。
タイルや石がたくさん使ってありそうなヴィーナスフォートという館がラッキー、いや残念ながらこの日は定休日だったので、やむを得ずフジテレビ本社をちょこっと見学して退散。

13日目

火曜日は、一番の激務が予想される横浜です。エリアが広い上に百貨店系が多く、かなりの気合いが必要です。
今回はエリアが飛び地でしたが、まず桜木町のナントカカントカ(忘れました)という建物に。ここで案外時間を食ってしまい、午後の横浜駅近辺が大変なものになりました。横浜は本当に大変で、もうどこを回ったのかさえも覚えがありません。
夜のラーメン屋は覚えています(余裕あるんじゃん)。地下鉄でセンター北駅まで行き、くじら軒という店に。ところが、こんな遠くまで来たというのに、なんと臨時定休日!なんたるちあ、さんたるちあ、高橋ルチアです(一部の方にしかわからない表現ですみません)。
仕方なく地図で調べると、ちょっと行ったところに違う店が一軒あるもよう。その店「近藤家」は、いわゆる横浜の家系。店の名前からしてしつこそ~うですが、我慢して入店です。これがまた、店の名前の割にはかなりの美味。まさに家系で、ノリと太い麺がマッチします。歩くとちょっと遠いですが、おススメです。

14日目

水曜日。ついに歩きまくり調査も最終日となりました。
この日はニコタマとオカジュー(二子玉川と自由が丘。本当にこう言うのでしょうか)です。二子玉川はちょっと侮っていましたが、高島屋が本館、北館、南館、東館、西館と揃っており、かなりややこしいため苦労します。方向オンチでいつも「どこ歩いとるかわからん」「帰り方がわからん」と筆者に付いて来るだけの永ちゃんがこの日はなぜか「こっちが南館だ」「あっちに駅があるから」と、こんがらがった筆者をサポート。実は今までわからないフリをしていたのでは?と思えて仕方無いながらも、何にしても永ちゃんのおかげでスムーズに二子玉川を脱出。
午後の自由が丘では若い婦女子をターゲットとしたブティック系が軒を連ねますが、思ったほど大した物件もなく、無事終了。万歩計を付けていたら毎日イッていたであろう過酷な調査がやっと終了し、労をねぎらいながら帰る我々2人でした。

15日目

翌木曜日は営業同行。本当は店舗営業の女性とまわる予定だったのに、事情により入れ替えられてまた男性と同行。
今度はikezoという営業マンでしたが、ikezoはかなりの大酒のみらしく、「昨日も朝の4時まで飲んどったもんで」と言ってグロッキー寸前。というわけで、特に何事もなく終了。設計事務所だと思って入った会社がHなビデオ作成会社だったことが唯一印象的で、勉強になりました。

16日目

やっと金曜日です。この日は「調査お疲れさんの日」ということで、大きな声では言えませんが、午前ちょっとした進捗会議をやっただけで半ドンとなりました。しかし真面目な我々は東京フォーラムでやっている新商品発表会を見学(5分ぐらい)してからそれぞれ解散しました。
筆者はこの週末初の帰省予定で、夜23時横浜発の夜行バス「いが号」を予約していたため、やむを得ず横浜に向かいます(「やむを得ず」と言っているが、品川から出るバスなのにわざわざ経由地の横浜まで行くところがあやしい)。
昨日の昼から何も食べていなかった筆者は意識が朦朧とする中、気付いてみると新横浜のラーメン博物館の久留米ラーメンの店「かい龍」にいました。日本一しつこくてそれでいてくどいという噂の久留米ラーメンは匂いが服にしみ入るほど強烈で、こってり好きの筆者をもってしても閉口します。
口直しにもう一軒、今度は佐野実プロデュースという八戸ラーメンの「大陸」に入店。八戸は別にラーメン処ではないですが、勝手にラーメン処にしてしまおうというのが狙いのようで、「別にそこまでせんでも」と思ってしまいます。その思いが味覚にも微妙に影響したのか、「いつもの佐野実風ラーメンですな」という感想に終わりました。
まだまだ日が高いので、桜木町界隈でブラブラすることに。歩いていると、偶然「野毛山」という地名に遭遇しました。「はて、どっかで聞いたような。もしや?」。早速公園の方に歩いて行くと、そこにはやはり!「のげやまどうぶつえん」があったのです。そう(「そう」と言っても何人がわかるやら)、正月の3本立てドラマでなっちがしばしば訪れていたあの「のげやまどうぶつえん」です。こんなところにあったのかー、という感想です。早速中に突入、というその瞬間、ギィ~と門を閉ざされてしまいました。閉館時刻を見ると16時となっています。現在の時刻は16:05。子供が「あーん!入りたいー!」と叫んでいます。筆者も心の中で「あーん!」と一緒に叫びました。係のおばちゃんは「ごめんねぇ~」と子供に言っています。なっちが見ていたオリを筆者も見てみたかったものです(何のオリだっけ>吟)。
ラー博と野毛山で今ひとつノリ切れなかった筆者、感動を求めて関内のカレーミュージアムに突入。まずは、大阪船場にある自由軒。ここはかなりの老舗で、しかも「夫婦善哉」という小説に店名が出てくるほどの名店。ここでは玉子ののったドライカレー風のものをいただきましたが、かなり美味。カレー友の会のHPがあったら★を5つ付けてしまうかもしれません。
次に、名古屋に店を構える「スパイスの秘境」。さすがにラ2杯カ1杯の後では味わう暇もないほど腹一杯で、コメント出来ません。
店を出て、カレミューの受付嬢と仲良くなったのでいろいろ話を聞いてみました。さすがに受付嬢は全店(8店舗ぐらいだったかしら)制覇したらしく、筆者が今までに行った4店を告げると「おにいさん、しゃびしゃび系が好きなんですねぇ」と見抜かれ、ついでに「実はその4つ以外がおススメなんですけどねぇ~」ということで、またリピーターとしての血が熱くなるのでした。
「食ったら歩く」をモットーにしている筆者、関内から横浜駅まで歩いて行きます。横浜からのいが号は満席。なんでそんなに三重県に行く人が多いのか不思議でなりませんが、週末はいつも満席なのです。飛び入りで「乗りたい」と申し出ていたおばちゃんも残念ながら「満席だからダメ」と運ちゃんに一蹴されており、悲しげです。ちなみに、本当は新幹線で帰ることになっているのですが、なぜいが号なのかと言うと、片道5,000円ぐらい安いからなのでありました。

17、18日目

バスが思いのほか寒く、週末は風邪をひいてしまいました。しかし、くたばっている場合ではありません。何で帰って来たかというと、日曜日に名古屋センチュリーホールで「あやや」のライブがあるのです!吟に「たぶんファン層が違うだろうから行かない」と断られて結局一人で臨んだあややですが、予想どおり若年層が目立ちます(もしかしたら最年長かも!)。開演前にある若者から「前から3番目の席買いませんか?」と言われて食指が動きますが、そこまで裕福ではないので我慢です(これが仮にミニモニ。か何かだったら即買いですが)。
前から22番目の席でもかなり萌えました。2回ほど目が合いました。ゲストにメロン記念日が来ていましたが、隣の殿方がメロンの大谷ファンらしく(Tシャツが大谷でした。珍~)、かなり熱狂しました。

19日目

東京に戻って月曜日。この日は翌日からのオーナー調査のロールプレイング研修です。簡単に言うと、初対面の人に会う時の練習です。ジェック研修の実務版といったところでしょうか。
営業部長などそうそうたるメンバーが顔を揃え、「では、私達がお客さん役をやるから、君たちは粗相の無いように応対してください。」ということで、一人ずつ皆の前で練習させられるという、滅茶苦茶緊張するハードな訓練です。スチュワーデス物語で松本千秋が「チキン!」とやっていた光景がそれにあたります。
部長は「好意的なお客さん役」や「ちょっと意地悪なお客さん役」などを演じ、筆者は「弁当屋チェーンを展開するあまり乗り気ではないオーナー」の番に当たってしまい、緊張のあまり「弁当屋にしてはキレイな店内ですねぇ」などと暴言を吐く始末。それでもとりあえず合格点をいただき、自信をつけて翌日からの本番に臨むのでした。
ところでこの日、10人の戦士が3つのチームに分割されるという再編成が行われました。この分け方がまた痛烈で、「ハイレベルチーム7人」「ミドルレベルチーム2人」「その他1人」という、過酷なものだったのです。何をもってハイレベルなのかどうかは良くわかりませんが、たぶんこの日の研修を見て分けられるのでしょう。そして筆者は、めでたくハイレベルチームに入りました。嬉しさのあまり、工場へのメールではうっかり「ハイラベル」と書いてしまいました。といいつつ、レベルで分けたというよりは、単に「オーナー班」「ディベロッパー班」「設計事務所班」に分けただけという感じです。

20~23日目

翌日からお店のオーナー直撃という予定でしたが、まずは先週の調査結果まとめをやった方がよいのでは、ということで、調査結果を全てパソコン入力し、店名からそのオーナー会社をつきとめるという作業に没頭しました。
この作業ではシティホーク近くのインターネットカフェ(というよりマンガ喫茶)が大活躍。例えば、先週歩いて得た結果に「お台場のアンナミラーズの床エントランスに300角のタイル、壁に2丁掛けタイルジオクラシコ風」というデータがあった場合、アンナミラーズというレストランをネット検索し、これが(株)井村屋製菓のお店であることがわかります。それで、井村屋のアンナミラーズ事業部の電話番号と住所を控え、後で電話する時に使うのです。ネットで出てこないような店はネットタウンページで調べたり、直接店に電話して聞いたりします。
それにしても、調べる内にいろいろなことがわかります。「ここってダイエー系だったのかー」とか、「この店って木曽路グループだったのかー」とか。もちろんラーメン屋チェーンも調べます。知多半島では見かけなくなった「ちりめん亭」はモスバーガーグループの(株)トモスがフランチャイズ展開しているなど、知っていて損はないけど得もあまりなさそうな情報を大量に入手できます。
さてこの週のラーメン屋巡り(もはや日課)ですが、テレビ番組で偶然「津田沼に1日5食限定のチャーシューメンを出す店」を知り、言うまでもなく突入してきました。場所がわからなかったのですが、困った時のたけちん頼み、携帯メールで「必勝軒の場所を調査たむ」と打つと、5分ぐらいで「津田沼まろにえ通りダイエーと千葉工大の間の道沿い病院まで行くと行き過ぎ」と、ピンポイントな情報が返って来ました(さすがデータベース管理者!仕事せい)。
夕方行くと、思ったほど並ばずに入店できましたが、残念ながら「チャーシューメンは終わりました」とのこと。本当にタッチの差だったようで、隣の人はチャーシューメンを食べているではありませんか。この店は昼と夕方の営業で、昼と夕方共に5杯ずつのチャーシューメンを出しているもよう。これだけの情報を入手し、普通のラーメンを食べて(かなり美味)帰るのでした。

24、25日目

週末土曜日は、千葉マリンスタジアムに阪神ヤクルト戦が来るということで、早速観戦に。タイガースがまだ首位を走っている最中で、球場の8割が黄色く染まっています。阪神の先発ピッチャーは横田とかいう知らん人でしたが、初回に神様八木が3ランを放つなど猛打爆発、観に行ったタイガース戦3連続完封負け中だった筆者のウサを晴らす快勝です。
日曜日には秋葉原の九州じゃんがららーめん。ここも何かのテレビか雑誌で1位に輝いた実績を誇る有名店。変な時間に行ったのにかなり並びました。じゃんがららーめんを食しましたが、ここもかなり美味。さっきから美味美味とそればっかりですが、本当に美味なのだから仕方ありません。水がマズかったのが玉にキズといったところでしょうか。
また、そのまま上野の一蘭を攻め、替え玉。食い過ぎです。上野店における自分にピッタシの調合をつかみました。濃さ普通、超こってり、青ネギ、肉入り、秘伝のタレ1/2、ニンニク普通、麺超固、といった感じです。辛いのが苦手な方は筆者のように秘伝のタレを控え目にした方がよろしいかと思います(秘伝のタレは唐辛子ベースなので)。

26~30日目

また次の週がやってきました。月曜日の会議で、みんなで調べたデータを割り振り、それぞれノルマが課せられました。それをもとに、ついにオーナー会社にアポ取り開始です。
「まずは失敗しても良さそうなヘボそうな店で練習を」という失礼なお達しが出ていたので、筆者はまず「長浦そば」という、店舗も少なそうでタイルもあまり使っていなさそうでどうでもよさそうな店を選定。昔斉藤由貴が「最後の~ファイブが~押せなかったテレフォン~♪」と歌っておりましたが、オーナーに電話する瞬間はまさにそんな心境です。女の子の実家にかけるのと同じぐらい緊張します(「名を名乗れい!」とオヤジに怒られた経験アリ)。長浦そばの本店らしきところにかけると店長が出て、マニュアル通りに事情を説明すると「社長に言ってくれない?」とあしらわれました。それでもなんとか社長の名前と電話番号を教えてもらい、今度は社長にアタックです。「しゃちょー」と聞いただけで恐縮してしまいますが、一度かけると案外慣れるもので、もはやマサ斉藤の「ゴーフォーブロック」状態です。社長には「お客さん来とるもんで。」と秒殺され、望みどおり当たって砕けました。
といった感じでようやく週末金曜日。この日は原宿の他社ショールームを見学し、ついでに新宿に寄って「屋台屋」という店に入りました。「とりそば」を注文したのですが、これがまたえらいシンプルなラーメンで、ネギとチャーシューのみ、といった感じ。チャーシューといっても鶏肉で、これがまた柔らかくて美味。トリガラスープにはやっぱり鶏肉が合うのでしょうか。スープも塩味で、しかもコクがあり、最高です。
さて、この後はアッコねえさんが「旨いから行け」と命令をくださった「KIYO'S」というレストランに行ってみようと思い、地下鉄を乗り継いで代々木上原という駅へ。5分ぐらい歩くと、小ぢんまりとした店を発見。そこで働く女性が昔同じ会社に勤めており、アッコねえさんと顔馴染みなのだそうです。入店し、早速その女性について尋ねてみると、その人が本人さんでした。あんまり男一人で来る人も少ないと思いますが、それでも店の方々は温かく迎えてくれ、ビールまでサービスしてくれました。なんでもこの日は店の7周年記念フェアの最中らしく、凝ったコース料理が出てくるということで、注文。どれもこれも様々な工夫がしてあり、大変おいしくいただきました。それにしても、コース料理なんて結婚式以外では初めてかもしれません。貴重な体験です。

31、32日目

土曜日はまたしても暇だったので、神田から神保町を通って九段下まで歩き、そのまま武道館の前を通って皇居へ。中学校の修学旅行で皇居のまわりを見学しましたが、中に入ったのは初めてです。あじさいや菖蒲の花が見頃で、なかなかキレイ。さすが皇居だけあって、ゴミひとつ落ちていないのもよろしい。皇居もいいですが、機会があれば、はとバスの東京一周ツアーに出掛けてみたいものです。
帰りには日の出桟橋から水上バスに乗船。天気も良く、なかなかの盛況ぶりです。隅田川に架かる11の橋の下を通って、浅草へ。水はもっと汚いのかと思いましたが案外キレイで、優雅なひとときとなりました。
日曜日には吉祥寺へ。一度「井の頭公園」に行ってみたかったのです。湖のまわりにベンチがあって、絵描きさんがのんびりスケッチをしている風景を想像していたのですが、これがまたえらい人々々。池の水は茶色だし、砂ぼこりでくしゃみは出るし、ちっとも落ち着いて散策できませんでした。
「スプーン」という女性シンガーが歌っていましたが、売れるでしょうか。もしかしたらCDを買っておけばよかったかもしれません。座る場所もなかったので、ちゃっちゃと帰途につきました。

33~37日目

週が明け、本格的なアポ取り開始です。最初ずっとボーズで苦しみましたが、その後レンチャンで2件ゲット。金曜日に2件訪問が決まりました。そんな折、工場から「スグカエレ」との命令が。週末は訪問、週初めは会議があるため、やむを得ず水曜日にトンボ帰り。工場では評価のフィードバックをやって終わり。それだけのために往復旅費を出してくれるとは、太っ腹な会社です。金曜日のオーナー初訪問はさすがに緊張しましたが、2軒とも無事役目を終えました。

38、39日目

土曜日はお台場へ。あの「モーニング娘。のアトラクション登場!」が忘れられず、カップルでうじゃうじゃのジョイポリスに一人で果敢に突入です。モーニング娘。のアトラクションは2種類で、いずれも「暗闇でヘッドホンを付けて声や効果音を楽しむホラーアトラクション」といった感じ。映像などはないので少々がっかりですが、加護ちゃんがすぐそこにいるような感覚に陥るなど、なかなかの出来と言えましょう。出口にはメンバー全員の手(石膏かなにかで出来ているらしい)が壁からニョキニョキ出ており、握手して帰る仕組みになっています。筆者は一部を除いて全員とシェイクハンズしました(一部?誰?)が、やさしい手はなっち、力強そうな手はのの、筆者より大きな手はヨッスィー、小さ過ぎて握れないのが新垣、といった感じでした。
日曜日には出張仲間の御徒町さんとW杯観戦。W杯といってもラグビーのアジア予選で、日本韓国戦が国立競技場で開催されるのです。
まずは腹ごしらえに競技場横の「ホープ軒」へ。ここは超こってりで、なんだか汚らしくて庶民的な感じがマル。しかも立食形式(いわゆる立ち食い)なのです。量はかなり多いので、腹ぺこ状態で行くのが良いでしょう。隣の客が「やっぱり国立とホープ軒はセットだよな~」と言っていました。セットなので、今後は試合前か後には必ず寄らねばなりません。
競技場に行ってしばらくすると、スタンドはなぜか超満員に。「ラグビーってそんなに人気あったっけ?」というほど客であふれ、聞いたところによると観衆は25,000人を記録。一体どうしたことでしょう。試合は前半からトライ合戦となるも、徐々に自力に勝る日本が一方的に攻める展開となり、終わってみれば90点以上の得点で快勝。ラグビーもサッカーに負けず、がんばっているようです。

40~44日目

翌週は辛い日々が続きました。電話をかけてもかけても全くアポが取れないのです。仲間の一人が「またアポ取れちゃった。困ったな~」などと嫌味を言ってくるので、本気で腹が立ちます。そういう時は気分転換に限ります。仲間と月島もんじゃを食べに行ったり、バドハウス(なんだか懐~)に飲みに行ったり、残り少ない東京ライフをエンジョイです。メンバーのみんなとやっと仲良くなってきたばかりなのに、あと少しで終わってしまうのは少々淋しい気持ちがします。結局最後の最後に1つだけ約束が取れて、ホッと一安心の筆者です。

45、46日目

土曜日。この日はこないだラグビーを観に行った御徒町氏と鎌倉に遊びに行くことになりました。鎌倉は、我々の住む幕張から総武線経由の横須賀線で乗り換え無し。御徒町さんが「優雅にグリーン車で行こう」と、粋な提案をしています。ラッキーなことにこの日は「どこまで行ってもグリーン券1回500円」というお得な日。千葉から鎌倉となれば、どう考えてもモト取れまくりです。我々は緊張しながらも「人生初」のグリーン車に浸入。うっかり靴を脱いでしまいそうです。総武線快速のグリーン車は、いつも満員の車内で揺られている時とはなんだか違った景色に見えます。庶民との身分の違いを存分に見せ付け、頭の中には「スードラ」とかいう意味のわからない単語さえ浮かんできます。
1時間半ほどして、列車は滑るように鎌倉駅へ。鎌倉からは筆者が一度乗りたいと思っていた江ノ島電鉄に乗車です。「鉄」ではないにしてもかなり鉄風味の筆者、列車の最後尾に早くもかぶりつき。家の軒先をかすめるように進むエノデンは、筆者を感動のるつぼへといざないます。
2駅ほど行った長谷(はせ)という駅で降り、まずは長谷寺へ。御徒町先生はかなりの仏像好き(マニアではないと語るが、どうか)で、長谷寺でもナントカ如来とか、食い入るように見つめています。長谷寺はかなり見所が多く、御徒町氏も大満足の様子。筆者もあじさいが見られて満足です。
鎌倉の大仏はお金が勿体無いので遠くから眺めただけで終わり、大仏ハイキングコースとかいう小路を行くことに。これがまたえらいアップダウンで、登山と言っても過言ではない苦しさ。さっき食べた冷やしたぬきが出ちゃいそうです(お食事中すみません)。
しばらく行くと、「銭洗弁財天」というスポットが現れました。なんでも、洗ったお金が倍になって返ってくるという庶民の煩悩をくすぐりまくるエリアであり、どっかのおばやんがなけなしの諭吉君を水攻めにする光景があちこちで見られます。筆者も御徒町氏も「全然興味ないけど一応やっとこうぜ」ということで、「ご縁がありますように」と、5円玉をチャプチャプやるのでした。最後は鶴岡八幡宮の石段を登って「あー、この辺りで源実朝は暗殺されたのだなあ」と感傷にふけりつつ、鎌倉の旅は終わるのでありました。
さて、翌6月23日。待ちに待っていたその日がやって参りました。モーニング娘。主演の「モーニングタウン」というミュージカルの最終公演を観に行く日なのです。
会場である青山劇場に行くと、早くもミュージカルとは思えぬ熱気でムンムン。筆者の席は前から17番目で、なかなかです。今回は2部構成で、1部では加護ちゃんがおちゃらけ役、2部では紺野が主役級で熱演するなど、笑いあり涙ありの感動巨編です(かなりひいき目)。2部が終って終了かと思いきや、「これから5分間の休憩でございます」とのアナウンスが。そう、隠し3部はみんなお待ちかねのライブが待っているのです!(書きながら興奮してきた)。売店ではサイリュウム(ペンライト)など売ってなかったのに、なぜかみんなポケットから光る棒を出しています。なぜか筆者も取り出しました(こういうこともあろうかと、春のライブで余分に購入済み。しかも常時携帯)。筆者の席は通路沿いという恵まれた環境だったため、跳んだりはねたりし放題。一人であそこまで熱狂できるとは、我ながらびっくりです。こうして東京最大のイベントは幕を閉じ、残り一週間の東京生活へと突入するのでした。

47~50日目

最後の一週間は2軒ほどまわりましたが、ほとんど流しモード。今までに見聞きした情報をパソコン入力したりして余生を過ごします。
さて、帰省を目前に控えた木曜日。前にも出てきた「5杯限定チャーシューメン」を目指して再チャレンジです。夕方18時半開店の必勝軒ですが、筆者は17時に店の前へ。なんと、既に2人のデブちんが並んでいます。しかし、筆者は3番目。チャーシュー圏内です。その後、女の子が3人来ました。彼女らは4、5、6番目となるため、一人だけチャーシューにありつけません。ここで筆者に「やむを得ん。お嬢さんに席を譲りましょう。」などという甲斐性はなく、身を固くして時が来るのを待つのでした。18時、早めの開店。幻のチャーシューは5×10×1cm厚ぐらいのものが3枚。八百善並みの大ボリュームです。麺も元々多めなので、フーフー言いながら食べなければなりません。しかしすごかったのが1番目の太っちょ君。この店では1番目に入店すると1等賞でチャーシューが倍付けとなるのです。それをいとも簡単にペロリとたいらげ、ノシノシと帰って行きました。この店では麺4玉まで100円増し、それ以上はどれだけ食べても150円。食いしん坊にはたまらないシステムとなっております。2番目入店の太っちょ君もすごい。チャーシューメンなのに「麺3玉。」とか言っており、筆者より早く完食して帰っていきました。

51日目

最終日。みんなで意見や感想を持ち寄り、最後データのまとめをして全ての日程を終了。こうして、約2ヶ月に渡る極秘プロジェクト(?)は、幕を閉じたのです。週明けからはまた全員(一人だけ居残り決定となった御徒町氏除く。うひひ。)、元の持ち場に戻って何事もなかったかのように日々暮らすのです。筆者とて同じです。
最後に、このプロジェクトのまとめ役の人に「君は営業に向いている。マジで希望するならいつでも言ってください。」と言われました。もしかしたら全員に言っているのかも知れませんが、気分が良いので手を挙げそうになってしまった筆者なのでした。どうなることやら。
おわり。