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沖縄



やってきたっ。

沖縄旅行だというのに、前日はフッキーの送別会。床に転がる若者2人を「おりゃー!」と蹴り上げ、羽田空港へ向かう。昨日は一体何次会まで行ったのだろう?どうやって家まで帰って来たんだっけ。なんか家に泊まったヤツ、先週と同じだったような。。。などと考えていると、搭乗時刻がやってきた。最近JALやANAのバースデー割引切符が廃止になり、誕生日近くの旅行も特にうま味は無いのだが、この時期に必ず沖縄で「ダイキンオーキッド」という女子プロゴルフの大会があり、観光ついでに観戦するのが年課(?)となっているのだった。
今回は庶民の味方、スカイマーク便。上手にやれば片道1万円で沖縄まで行けるが、日本国には庶民が多いらしく、かなりの激戦だ。席が特別狭いわけでもないし、ちゃんと飲み物やおつまみも出るし、何も不満は感じない。これで何でこの値段?と逆に不審に思ってしまう。たぶんアテンダントのお着替えが無いからだろう(ホント?)。
運良く窓側の席でガラス越しの日本地図を堪能。スカイマークはモニター画面に「今この辺り飛んでますぅ」というのが表示されるため、「おっ、あれはもしかして浜名湖かしら?」などと道中も楽しい。2時間50分ほどで無事那覇空港に到着。ちゃんと離陸して着陸してくれさえすれば安い便で良いと私は思う。出来ればお着替えアリだとなお良い。
飛行場からはゆいレールで移動。どうせレンタカーを借りるのだから飛行場で借りたら良いではないかと思ったアナタは甘い甘い、あんみつのように甘い!①レンタカー屋の空港店は混むので、他の店舗まで行った方が快適なのだ。②だってゆいレールに乗りたいんだもん、エヘ☆。という海より深い理由があるのだった。
ゆいレールではもちろん先頭車両のかぶりつきをゲット。実は私、ゆいレールの各駅到着前に流れるオルゴール風音楽がものすごく好きで、半分ぐらいはそれを聴くために乗っているようなものである。駅ごとに音楽が異なり、個人的には壷川駅の曲(唐船ドーイという曲らしい)が大好き。1年ぶりの唐船ドーイはまさに感涙モノ。これでココロのスイッチのセレクターレバーがオンに。そして、叫ぶのだった。「沖縄にやってきたっ。」。

ちゃんぷるー開始。

車を使うのは明日以降なので、今日借りる必要は全く無いのだが、明日の朝が早いためにやむを得ずレンタルするという、やや経済的でない作戦を選択。スカイレンタカーの那覇営業所は私もかなり常連で、「いや~お客様すみません、軽自動車のご予約でしたが、あいにく普通車しか用意できず、同料金で1ランク上のお車をご用意致しますが?」という毎度お馴染みのセリフも計算に入っている。料金はかなり格安で、保険料を入れても1日3,000円程度。庶民には嬉しい価格設定だ。
今回の相棒はマツダのデミオ。まずは肩慣らしに「やんばる食堂」へ。毎回何度も道を間違えるのだが、今回はたった1回間違えただけで到着!やんばる食堂はなんと24時間営業の一般食堂。おばぁが2交代制(死んじゃう)でやっており、味も雰囲気も好きで毎回通ってしまう。
取り急ぎ、大好きな麩ちゃんぷるーを発注。別に「ごはんと汁もください」などと言わなくても、ちゃんと麩ちゃんぷるーにごはん大盛りとミニ沖縄そばが付いてくる。ちなみに麩ちゃんぷるー「定食」というメニューもあるが、ごはんと汁の他に一体何が付くというのか、謎だ(タコライスか何か?)。お腹一杯食べて、お代は520円。ありえない価格設定である。庶民には大変ありがたい。お着替えがあればなお最高だ(いらんかな~)。
この日のデミオの出番はこれだけで、今回連泊予定のロコイン松山(駐車無料)に置き、早速国際通りを目指す。ロコイン松山は国際通りまで徒歩5分ぐらいという立地の良さ。那覇市民にも結構認知されているようで、酔っ払って帰れなくなっても安心だ。
まずはいつもお邪魔している「牛屋」。数年前にカウンターのおっさん2人と「実は全員神奈川県民」ということで意気投合してちゃっかりオゴってもらった記憶に新しい料理屋だが、今回は特に面白そうな客もいなく、1人で泡盛をちびちびとやる。この日はどうも体調が優れないようで、料理も酒も全く進まず、泡盛1合を4時間もかけて飲み、2,200円しか使わずに退散。帰り道の「元気道」というラーメン屋に寄ったが味も覚えが無いほど酔っ払っており、やや不本意な感じで1日目終了となった。

目標管理書作成。

2日目。ダイキンオーキッドは南城市の琉球G.C.という、那覇市から車で1時間かからないぐらいの場所で行われる。
さて、今回は誰の組に帯同するかが重要な命題であった。今回は地元の大スター宮里藍ちゃんが欠場とのことで、候補はご存知横峯さくら、そして新鋭の藤田幸希(さいき)の2人に絞られる。これは、スコアとの関係も密接で、「なんせ終わった後にサインが欲しい」という大きな欲望が渦巻いていることもあり、緻密な計画と実行が必要不可欠なのだ。
初日のスコアは、なんと藤田幸希が2位!横峯さくらは少し離れてはいるものの、まだ優勝が狙える位置だ。この時点での私の作戦は「さくらに帯同、ホールアウト後幸希組に合流して優勝の瞬間を分かち合い、さくらが帰らない間にサインをゲット、幸希優勝インタビュー後に歓喜のサインをゲット」という十津川警部並みの時刻表を完成させていた。
ところが!藤田幸希が2日目に大ブレーキ、予選通過スレスレという予想だにしなかった展開に。そして横峯さくらは順調にスコアを伸ばし、最終組の手前で優勝争いという図式になった。これにより、もちろん作戦変更。「幸希に帯同し、取り急ぎサインをゲット。後からさくらの優勝の瞬間に立ち会い、サインは諦める」でいくことになった。サインを諦めるのにはカラクリがあり、さくらは帰りの飛行機がケツカッチンのため、最終組に近ければ近いほど自由時間が減り、サイン確率が減るのである。そして優勝でもしようものなら、表彰式やインタビューも普段以上に入り、確率はほとんどゼロとなる。そんなところまでヨンでのこの計画、我ながら「アホか」と言いたくなる。

藤田幸希プロ登場。

ゴルフ場の受付で当日券を買おうとしていたら、見知らぬお姉さんが声を掛けてきた。「チケット余っているのですが、どうですか?」とのことだった。実はこの大会、女性は入場無料なのだが、うっかり買ってしまったとのことで、1,300円のものを1,000円でどうだ?とのお申し出。実は当日券は3,000円もするため、もちろん喜んでゲット。思わぬところで2,000円も浮いてしまった。神様は日頃のケチケチ活動をちゃんと見てくれているなぁ~と、幸せ一杯である。
実はこの日の天気予報は「くもりのち雨」。ところが、既に雨がシトシト降ってきてしまっている。これでは「雨のち雨」ではないか!雨男の自分を恨みつつ、浮いたお金でJefの「ぬーやるバーガー」(ゴーヤーの卵とじとスパムを挟んだバーガー。美味)を食し、雨の中パット練習する女子プロたちを見学。プロゴルファーの方たちは芸能の方々とは違い、そこらをひょこひょこ気軽に歩き回っているので、いきなり大山志保とすれ違ったりして面白い(さすがにさくらや桃子はアイドル並み人気なのでそれは無いが)。
藤田幸希の出番がやってきたので、目標管理書どおりに帯同を開始。今日の幸希嬢はトレードマークのスカイブルーのシャツ、下は雨合羽でこれまたスカイブルー。合羽もイカす。同じ組にはベテランの米山みどり、そして地元の成長株、新島プロだ。
帯同するギャラリーはおよそ15人。ちなみに昨年の最終日はさくらと藍が同組で私も帯同したが、たぶん数千人のギャラリーがぞろぞろ付いて回っており、見るものも見えずに大変疲れた記憶があるが、今年は少数精鋭で良い感じだ。
開始直後から雨が上がり、なんと太陽まで出て、いつの間にか雲ひとつ無い快晴に。幸希様の晴れ女ぶりに感謝感激だ(初優勝した時雨降ってたけど?)。合羽を脱いだ幸希嬢、合羽を持ってなぜかこっちに向かって走って来る。な、な、なにごと!そして「持ってて、おかあさん」と言って、隣にいた女性に合羽を手渡ししたのだった。び、びっくりした。。。
この日の幸希選手も昨日の流れを引きずり、いきなりバーディーで15人の観客を魅了したもののその後はボギーを連発、果てにはダブルボギーやトリプルまで飛び出し、キャディーのお父様もガッカリな様子。
それとは対照的なのがベテランの米山みどり。ショートホールで放った一打はしっかりグリーンを捉え、ラインに乗ってコロコロコロコロ。。。そのまま静かにカップへ吸い込まれるのだった。なんと、目の前でホールインワン!こんな運の良いことがあって良いのだろうか。いやー、米山みどりで良かった。これが藤田幸希だったら、もう~(どうなんだ)。拍手喝采の中、米山みどりはカップの球を拾い上げ、そのままギャラリーに放り投げた。球は私の手前で失速、前のおっさんのものとなった(そこまで運良くないです)。

時は来たれり。

後半戦に入り、天気も良くなったこともあり、ギャラリーは10人に(減っとるがな)。琉球G.C.はとっても美しいコースで、カート道にはハイビスカスが咲き乱れ、噴水まわりをブーゲンビリアが埋め尽くし、まさに南国といった感じ。
ところで何で藤田幸希プロが好きなのかと言うと、人間性なのである。もちろんそんなに深く知っているわけはないが、例えば「ナイスバーディー!」と観客から声が掛かったり、パーを取って拍手があったりすると、必ずキャップに手をやっておじぎして「ありがとうございます」と声に出して言うのである。これは案外、他のプレイヤーには見られないことで、ボールをカップから取った手で挨拶代わりにする人は多いが、藤田選手はそのあたりを軽視しないのである。
18ホールが終了し、ついにその時がやってきた。スコアカードを付けるテント前には出待ちのミーハーどもがうじゃうじゃ。どうにかして欲しいものだ。テントから藤田幸希が出てきて、クラブハウスに向かって歩き始めた!まわりの人は幸希プロに向かって猛進、と思いきや誰も動かず、「あれ?」という感じで肩透かし。結局私が先頭に立って「藤田さ~ん!」と呼び掛けることになった。緊張のあまりマジックのキャップを取らずに渡してしまって失敗したが、幸希様は快くサインに応じてくれた。便乗したファンが続き、ボールをゲットしていた。それも羨ましいが、どちらもプライスレスだ。いや~、幸せ。

さくら散る。

もはや目標管理の90%ぐらいを達成し、早くも自分に臨時ボーナスをあげたいぐらいだが、さくら選手のスコアも気になるため、18番ホールへ向かう。なんとさくらが単独首位!計画どおり!1打差で韓国の宋ボベ(そんぼべと読むらしい)選手がつけており、優勝争いはほぼ2人に絞られている様相だ。ところが終盤、横峯さくらにミスがあったようで、スコアボードの順位が逆転。ギャラリーの9割以上はおそらくさくらを応援しているのだろう、順位が入れ替わった瞬間のどよめきといったら「うわー」「なんと」「えらいこっちゃ」「あいやー」など、怒号のようだった。結局場の空気を読めなかった宋ボベ選手が優勝(冗談です。ツアー初優勝だそうで、おめでとうございます)、横峯選手は2位で終了した。
毎年「やるとしたらココ」というサイン会会場に一応並んで待ったが、予想どおり表彰式やインタビューで時間が押し、絶望的な雰囲気に包まれた。その時!さくら選手がみんなの前に登場!!スーパースターが自分の目の前2Mの位置にいる。「飛行機の時間がありますので、申し訳ありませんが、子供の方のみでお願いします」とおっしゃり、私の野望は潰えた(そこらの子供を捕まえて「オラの分もたのむ~」なんてことは考えもしません!)が、わずかの時間を使ってでも子供たちにサインをする姿はとっても輝いて見え、感動した。
そういえば昨年、「藍ちゃ~ん」とうっかり声を出してしまったお嬢さんに、プレイ中にもかかわらずそっとボールを手渡した(これも私の隣のコだった)宮里藍にも感動したものだが、スターになる人はやはりプレイ以外にも素敵な部分を持っているからこそスターなのだろうと思う。

ほろ酔い。

これ、何の文章だっけ?そうそう、沖縄旅行記なのであった。ゴルフ観戦記ではない。大満足の中、飛び跳ねながら車を運転し、那覇へ戻る。
腹が減ったので「田そば」(でんそば)という首里近くの沖縄そば屋に入り、田そばを食べていると、テレビでさっきのゴルフがやっており、また感傷に浸る。この店は「3枚肉そば」が10杯限定で人気メニューらしく、さすがにゴルフ観た後では売り切れだったが、普通の田そばも美味。今度は早く来て3枚肉そばを注文したいところだ。一旦ホテルに戻って部屋でゴロゴロしていると、またゴルフがやっていた。沖縄県民にとっては一大イベントなのだろう。地元の期待の星である諸見里しのぶちゃん特集みたいな感じになっていた。
国際通り近辺に出て、去年初めて入ってなかなか良かった店を探す。去年はその店で隣のおばちゃんと意気投合し(そのパターン多いな)、うっかり3次会まで行ってしまったのだった。店の名前や所在地を忘れてしまい、似たような店はあるものの、なかなか探し当てることが出来ない。探し物は探すのをやめると出てくると言う。探すのを諦めて歩き出したとたん「ここやー!」と見付かった。「琉球ダイニングあれんじ」という店だ。
店に入ったら店長が出てきた。間違いなくこの顔である。店長はまだ若く、旅行で沖縄に来たらハマってしまい、そのまま永住しているそうである。
「去年もゴルフの最終日にこの店来て、おばちゃんに引っ張られて大変だったよ~」と言うと、「電話で呼びましょうか?」と軽口を叩いてくる。お客さんが少ないこともあったが、1人で入店して店の人と会話が出来ると大変安心するし、楽しいものだ。また、日焼けで顔が赤いのを見て「おしぼりを氷で冷やして参りました」と言って何度も持って来てくれたりするのも半分冗談、半分気が利いていて心地よい。
一日中歩き回ったこともあるし、興奮して気分高揚していることもあり、また体調も良好なのか、酒が進む進む。最後は60度の泡盛を勧められてさすがに右も左もわからなくなり、来年も来ることを約束して店を出た。

やるなぁ東村。

最終日は遅めの起床。といっても休日は寝ていられず、7:30にはもう目が覚めた。2日間お世話になったロコイン松山を後にし、この旅2度目のやんばる食堂で朝食。豆腐ちゃんぷるーは初日と同じようなセットで480円。おばぁが道楽でやっているとしか思えない安さである。
この日は何をしようか迷っていたが、朝のNHKおはよう日本で首藤アナ(通称なっち)が「今日の中継は沖縄県のツツジ園です。きれいですね~」と言っていたのを尊重し、東村のツツジ公園を目指すことにした。
東村にはゆっくり走って2時間半で到着。ツツジはまだ3分咲きといった程度だが、遠くから見るといろんな色のツツジが混ざり合ってなかなかの壮観。一度満開の時に来てみたいものだ。
近くにバラ園があるようなので、そちらにも行ってみることにした。ここは「かぐや姫」という変な名前のドライブインみたいなところだが、裏手に広大な花畑があるようで、入園してみた。これがまたなかなかの掘り出し物で、季節が良いのか、手入れが上手いのか、バラが満開!個人的には「バラといったらコレでしょ」的な一般的な形の赤いバラが好みだが、白とピンクの入り混じった品種、ポンポンギクみたいな柔らかい感じのバラなども良い感じ。そして敷地内にはバラだけでは飽き足らず、ハイビスカス園、コスモス園、菜の花園など、多種多様な花畑が広がっており、かなり満腹な感じ。昨年5月の北海道芝桜公園、チューリップ園に続く花畑シリーズ、花好きで一時期「花時間」という雑誌を講読していた私に似つかわしい趣味であると言っておこう。
それにしても東村。村おこしとはいえ、なかなかやるなぁという感想だ。近くにはもうひとつ「ヒルギ林公園」もあるし、なんといっても東村は宮里藍ちゃんの故郷なのである。

振り返り、次回の課題へ。

帰りの飛行機で「るるぶ沖縄」を再読し、今回の旅を思い起こす。沖縄そばは結局1杯しか食べなかったが、ちゃんぷるー系を合計5皿、ラーメン2杯、ぬーやるバーガー、タコライス等、食事は好きなものをたくさん食べることが出来たし、泡盛も倒れるほど飲んだ。金銭的にも飛行機・宿・車それぞれ安いものを選択出来たし、ゴルフ場の入場券も浮いたし、まあまあである。
ゴルフ系ではさくらちゃんのサインをもらえなかったのは残念だが、幸希クンのサインをもらえたのは大満足。最後は東村観光もしたし、天気も良かったし、総合的にもダイナッ得な旅行であった。
次の日会社で社長に「会社が専属契約した服部プロ、おったか?なに、見とらん?何しに行ったんじゃバカタレ!」と軽く怒られたのがやや残念か。何しにってアンタ。。。