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北海道



オホーツク紋別空港って、どこだ!?

今までに何度か北海道を旅しているが、なぜかいまだに網走・釧路・根室といったいわゆる道東方面には縁がなかった。なぜ足が向かなかったかと言うと「ラーメン処が無い」ということなのだが、この度「流氷を見る」「なるべくラーメン以外のものを食べる」「極寒を体験し、身も心も引き締める」といった目標のもと、ついに道東へ行くことが決定。残念ながら第一希望の北斗星による北海道入りは切符売り切れにより断念となったが、早割21で行き帰りの飛行機をゲット、珍しく初日以外は宿も取って(札幌雪まちゅりのため宿が取れないと困るもんで)、万全の態勢で当日を迎えた。
2/8(土)。今回の旅は2/10に有休を取り、3泊4日である。筆者は普段、どちらかと言うと寒さに強く、部屋のヒーターの設定温度も10度(我ながらビミョ~)だし、防寒具も立派なものはひとつも持っていない。仕方無く、昔なんやすで買った安くて変な色の具(なんという種類なのだろう)を装備し、出掛けることとなった。
実を言うと羽田空港に行くのも初めてで、行きの列車からドキドキだが、横浜駅から京急で「羽田空港行」という便利な列車が出ているため、眠っていても辿り着けるので便利。羽田空港は予想以上に立派で、駅からも近くて本当に便利。登場手続きではラッキーなことに窓際席をゲットし、出足好調だ。行きの飛行機はオホーツク紋別空港行きのANK機。そんな聞いたことも無いような飛行場に直行便があるとは、さすが羽田、さすがエアニッポンである。本来ならば女満別空港あたりがベストなのだが、気付いた時には既に満席だったので、仕方無い。まあ、今後滅多に行かないであろう場所に行ってみるのも醍醐味なので、良しとしよう。
飛行機は予想どおりちっちゃいやつで、昔宮古島に行った時のと同じ型だと思われる。席は左の窓側で、一番後ろ。席を倒す時に、後ろの人に「倒していいですか?」などと聞かなくて済む良い席だ(普通言わない?)。「酸素マスクは必要な時に降りてきます。」を聞くと、今は亡きポル吉君のエマージェンシー姿を思い浮かべるが、そんな感傷に浸っている間にも飛行機は離陸。この日は天気も良く、雲の上からポッカリ富士山が頭を覗かせており、なかなか良い景色だ。
福島・花巻などの上空を通り、太平洋から襟裳岬横を通過。スチュワーデスの案内で「右手に阿寒湖が見えます」とか「右手に流氷が見えます」などと放送されており、観光気分が高まってきたが、全て「右手」だったため、左手の筆者は「キーっ」とハンカチを噛みながら必死に我慢。最後に凍ったサロマ湖上空で旋回したため無事流氷も拝むことができ、オホーツク紋別空港に着陸した。
オホーツク紋別空港では、階段で地面に降りてトコトコ進む。飛行機に通路がひっついてそのまま建物に行くような素敵な設備は無いらしい。気になるのは空港からのアクセスだが、紋別バスターミナルというところまではバスが接続しているらしく、他に交通手段は無いのでこれに乗るしかない。飛行機到着の15分後発車のはずだが、なんせこれを逃すと一生バスは来ない(ホントに飛行機接続用なのだ)ので、人がいなくなるまでバスは発車せずに待機。北海道のおおらかさを垣間見る瞬間だ。結局30分以上経ってから発車し、紋別市街のターミナルには20分ぐらいで到着。

線路の見える宿、サンアバシリ!

できることなら紋別市街地のすぐそばにある「ガリンコ号Ⅱ」に乗りたかったが、翌日の「流氷ノロッコ号」および「冬のSL湿原号」に乗る予定だったため、残念ながら、早速網走方面へ向う。といっても、網走行きのバスは午前中しか無いらしく(なぜだっ)、やむをえず遠軽行きのバスに乗ってJRの駅を目指す。「勿体ないから絶対寝るもんかっ」と粘っていたが、今朝はまあまあ早かったこともあって、いつのまにかウトウト。最後、客は筆者だけになっていたが、16時過ぎに遠軽に到着した。
遠軽では汽車が来るまでに1時間ちょいあったので、駅前のソバ屋に入ってみた。ここはおっちゃんが一人でやっており、注文した鴨南蛮はあまり美味しくはなかったが、「昔は列車ももっと走っていたんだけど、こんなにさびれてしまってねぇ~」などと、いろいろ話を伺えた。おっちゃんは昔個人で会社を経営していたらしく、「ワシらの代は年金も多いし、悠悠自適だべ~」と言っていた。どうせソバも道楽で作っている程度なのだろう。
遠軽駅は、北海道でも有名な「スイッチバックの駅」。駅が行き止まり風になっており、次の駅に行くには列車の進行方向が変わるのである。北見行きの快速列車と普通列車を乗り継ぎ、網走駅に到着。有名な割にはかなりさびれた雰囲気であり、なかなか良い。
紋別ターミナルでの待ち時間に予約した「ホテルサンアバシリ」は駅から徒歩数分の好立地で、部屋は狭いが、窓から線路が見えたりして、鉄道好きにはもってこいである。列車が通ったりすると時刻表をめくって「おっ、あれは網走駅着の急行か~」などと楽しめる。
腹が減ったので、雑誌に載っている寿司屋を目指すことにした。道が一本違っていたらしく、かなり迷ってようやく「寿司の福尚」に入店。カウンターでおっちゃんが一人で飲み食いしていたため、会話に合流。そのおっちゃんはなぜか横浜あたりにも詳しいらしく、「関内の近く?おー、いいところじゃ~ん」などとビミョ~な横浜弁で食い付いてくる。店のマスターもサービスが良く、「タコの頭って食べたことある?今日はサービスしとくよ~」と、タコの頭のブツ切り風のものを盛ってくれた。コリコリしていてなかなかの美味である。寿司自体は特に旨いということもなかったが、雰囲気はまあまあの良い店と言えよう。

流氷ノロッコ号!

翌朝はノロッコ号が10:25発のため、のんびり起き出す。旅ではいつも6時に起きたり強引なことが多いが、たまにはゆっくりも良いものだ。ノロッコ号は指定席を取っていなかったので、改札で並ぶことに。ところが、改札横にある喫茶店ではモーニングに「鮭といくらの親子丼」が出てくるらしく、悩んだ末、やむをえず入店。普通、鮭といくらの親子丼といったら、鮭の切り身といくらのドンブリではないか。しかし、ここのは、鮭が焼き魚だった。かなり意表を付く一品だ。ところがこれが思いの他美味で、「これは食べてラッキーだったかも」と満足げな筆者である。
ふと店の外を見ると、改札に長蛇の列が!慌てて並んだが、良い席は全て埋まってしまった。仕方無く、付け足したような臨時の車輌に乗り込むが、他の車輌ではダルマストーブがあってスルメ焼いたり売店があったりするのに対し、筆者のは普通のJRといった感じ。やっぱり鮭といくらの親子丼は我慢すべきだった。来年また来なければ気が済まない。
ノロッコ号は、機関車が後ろから押して進む変わった方式で、名前どおりノロノロとゆっくり進む(ノロノロだからノロッコなのかどうかはわからない)。
筆者は基本どおり左手の海側をゲットしていた(それだけは譲れぬ~)ため、流氷を見るには良い環境である。流氷は、ひょっこりひょうたん島みたいに単独でぷかぷか浮かんでいるものを想像していたのだが、実際はそれの集合体であり、どこまでが陸でどこまでが流氷なのかわかりにくい。
ノロッコ号の車内の案内によると、見頃は3月中旬ぐらいで、流氷が陸から離れてオホーツクにお帰りになる(のか?)景色が良いらしい。ノロッコ号は知床斜里駅までの約1時間で、おしまい。やっぱり、旅情を楽しむなら「本物車輌」に乗るべきだと悟った。

冬のSL湿原号!

知床斜里からは「お座敷列車摩周号」。どう考えたって、ノロッコ号を降りた人々はほぼ間違いなくこれに乗るはずなのに、自由席はほんのちょびっと。ノロッコ号が到着してから車内を見学していた筆者は摩周号の自由席にも並ぶのが遅れ、結局立ち見となってしまった。
次の目的地は、標茶駅。ここからSLが出るのだ。外を見ていると、駅のホームに「やちべし」という看板が見えた。やちべし、やちべし。。。「しべちゃですやーん!」と気付き、慌ててホームに飛び降りた(とはいえ、ほとんどの人がSL目当てで降車したもよう)。
標茶駅は、SL機関車の連結をひとめ見ようと、カメラ小僧でうじゃうじゃ。みんな煙で真っ黒になりながらも、必死の形相である。
この「冬のSL湿原号」は、全席指定。ラッキーなことに、窓際席ゲットである。真ん中にテーブルのあるボックス席で、隣の通路側には鹿児島から来たという夫婦、目の前の窓際席には一人旅の女性が座り、お茶の間風の4人で釧路を目指す。
目の前の女性は筆者と同じように、飛行機で来て流氷見て札幌雪まつり見て飛行機で帰るということで、やっぱりみんな考えることは同じなのね~という感想。見た目や喋り方が伊賀工場の「まえっち」風味なので、心の中では「まえっち」と呼ぶことにした。
隣の夫婦がテーブルに広げたお菓子をごちそうになりながら、汽車はゆっくりと釧路湿原の中を進む。誰かが「鹿だっ!」とか叫ぶと、全員が一斉に席を立ってそちらに注目したりして、かなり笑える(もちろん筆者も参加)。タンチョウヅルが羽ばたいて着地した時など、やんややんやの大喝采。案内役の車掌も「これがツルの恩返しですぅ!」と興じている(人間は何も恩を与えていない気も)。汽車が警笛を鳴らして減速したら、それは線路上に動物がいる合図。その直後に窓の外を凝視すると、エゾシカが何匹か跳ねていたりして、心躍る。それにしても、釧路湿原は広くて景色も良く、眺めは最高。夏にはこれまたノロッコ号が走るらしいので、そちらにも乗ってみたいところだ。汽車は釧路駅に到着し、お茶の間の4人はまた赤の他人に戻った。

根室名物、エスカロップ!

この日の宿泊は根室。釧路から根室へ向かう列車まで1時間ほどあったので、雑誌に載っていたラーメン屋を探すも、発見できず。何もしないまま1時間が過ぎ、根室行きの鈍行列車に乗り込んだ。折角先頭車両のかぶりつきをゲットしたのに、外は雪が降り始め、ガラスが曇ってしまって何も見えず。それでも意地になってずっと2時間立ち、「日本最東端の駅」で有名な東根室駅で「何とか足を着いてやるぅ」と思っていたものの、ワンマンカーでは不審な動きもできず、結局そのまま根室駅に到着した。
根室駅周辺も良い感じの寂れ方。歩って5分ぐらいのところに、宿泊地「根室グランドホテル」はあった。ここはまあまあ立派で、なぜかツインの部屋。かなりお得な気分である。
早速外に飛び出し、雪の中を元気に歩く。5分ほど行くと、雑誌に載っていた、旨い「エスカロップ」を食べさせてくれる店(名前忘れた)に到着した。エスカロップとは、バターライスの上にカツをのせてデミグラスソースでいただくという、高級ミソカツみたいな料理らしい。客は筆者ひとりだが、なぜかバイトが2人。やっていけるのだろうか。エスカロップは、かなり美味。初めて食べるので他の店と比べてどうかはわからないが、実はセブンイレブンなどでも売っているという噂を聞く(今でもあるのかしら)ので、発見したら試してみたいものである。
翌日に良いバスがあれば岬の先っちょまで行ってみようと思い、駅までバスの時刻表を見に歩って戻るが、途中に「鮨半」という寿司屋があったため、入店(食べたばかりなのだから、ちょっとは躊躇すべき?)。ここの寿司屋はいやに活気が無く、席に座ってもメニューはもらえない(壁の値段表の見にくい位置だった)し、「何にしやす?」などと聞いてもくれない。まるでドリフの大爆笑の「もしも根暗な寿司屋だったら」を彷彿とさせる。いくつかたのんで食べたが、なんとなくパサパサした感じで、あまり美味しくない。結局「シャリが無くなった」ということでかんばんとなり、スゴスゴと店を出た。店の名前どおり、半玉といった感じの店であった。

日本最東端の駅へ!

もう3日目になった。この日は朝早く起き、7時半頃のバスで納沙布岬を目指す。この日は一応平日ということで、学校へ行く学生が10人ぐらいと、どっかのおっちゃんが1人乗り込んで来た。途中の「根室高校前」というバス停で全員降りて行ったところをみると、どうやら根室高校の生徒と、根室高校の先生なのだろう。
客は筆者ひとりになって申し訳ないが、岬まで運転してもらう。30分ぐらいすると岬に到着したが、驚くことに、観光客も地元の人も、人っ子ひとりいない。一応雑誌にも載っているような観光スポットだし、納沙布岬といえば岬界でもかなりメジャーな部類に入ると思うのだが、謎だ。空はあいにくの曇天で、残念ながら北方領土は見えず。根室市内にはいたるところに「四島を返せ」といった類の看板が立っており、近くて遠い北方領土返還は本当に悲願なのだろう。店も開いてないしつまらないので、待っていたさっきの折り返しバスに乗り込み、根室駅まで戻った。
駅に着いたら、快晴になっていた。天気に運が無いのはいつものことなので、くよくよなどしない。釧路行きの「快速はなさき」まではかなり時間があったので、昨日足を付けることの出来なかった「東根室駅」まで歩って行ってみることにした。30分ぐらいすると、本当にちっちゃなちっちゃな日本最東端の駅に到着。「日本最東端の駅」という立派な碑が立っていて、鉄道好きにはかなり萌える。無人駅なので、ホームにも立ち放題。これまでに「日本最北端」「日本最低地点」「日本最高地点」などは制覇しているため、また新たな勲章が加わった(集めても何も無いが)。
また根室駅に戻り、「そういえば陰の部長様がカニを送るように住所教えてくれたっけ~」というのを思い出し、カニ屋の前で品定め(目利きはできないけど一応)をしていると、サングラスをかけて道を歩っていたおっちゃんが「あっ、カニ?今ドア開けるもんで!」と言ってその店に入り、ドアを開けてくれた。どうやらその店の主人らしく、「朝氷割っとったらカケラが目に入り、今から医者に診てもらおうと思っていたのであって、別に怪しい者ではないよ」と、カニのことよりもまずサングラスの謎について語り始めた。おっちゃんとの交渉の末、カニの他にししゃもをゲット。気分良くおっちゃんと店を出た。
快速はなさきは、快速といっても1両編成なのだけど、主要な駅以外は全く停まらず、快適。もちろんこの日もかぶりつきで、線路の上にシカが跳ねているのを見たり、オオワシが翼を広げているのを見たり。凍った厚岸湖も良い感じだった。
釧路からは札幌行きの特急おおぞらに乗り込んだ。筆者はかねがね「新得とトマムって1駅なのに特急でも30分ぐらいかかるのなんでだろう~」と思っていたため、興味津々。予想どおり、まわりはスキー場だらけの山々で、その中をぐんぐん登ってぐんぐん下る。レールのポイント部分では、おそらく凍結防止の意味なのだろう、ちゃんと防雪トンネルみたいなものが作ってあって、雪がかからないようになっているのも初めてで面白い。南千歳からは見慣れた風景。間もなく札幌に到着した。

雪まつり会場でアツいイベント発生!

この日の宿はススキノグリーンホテル2。ススキノ繁華街から歩って数分という好立地である。筆者の部屋はなぜか和室で、慰安旅行などで泊まる6人部屋貸切状態であった。隅っこにポツンと布団が敷かれてあり「寒そ~」という感じだが、ちゃんと暖房がかかっているので大丈夫。
チェックイン後はすぐに外に飛び出し、何はともあれ雪まつりである。ススキノ会場では、氷の彫刻がメイン。どうやら札幌は季節はずれの暖かさで、ニュースでも「雪像にとっては汗ばむ陽気です」とうまいことを言っていた。
まつりの中心はやはり大通り公園だ。大小様々な雪像が並び、ライトアップされていたりしてムーディーである。テレビ塔などはやはりベストポジションらしく、展望台に上る入口はカップルでごった返していた。
筆者は一丁目から順に見てまわったが、八丁目ぐらいまで行ったところで、「パラダイス銀河」を歌う女性の声が聞こえてきた。「?」と思ってそちらの方を見ると、大型画面になにやらアイドルグループ風の人達が映っており、前述の銀河を歌って踊っていた。看板には「アサヒ緑健プレゼンツライブ」と書かれているだけで、一体何のライブが始まるのかわからなかったが、どうもこれはチェキっておいた方が良いような予感がしたため、並んで最前をゲット。我ながら「札幌まで来て何やってんだい?」といった感じであり、我ながら「こんな場に出くわすとは、ナイス嗅覚」である。
40分ぐらい待つと、「ホワイト☆ストーム」という駆け出しのアイドルグループが登場。どうやら北海道ではテレビやラジオにちょくちょく出ているらしく、既に熱狂的なワンフーもちらほら。この9人組(2人卒業して7人になるらしい)のグループはまだまだ歌も踊りも半玉だが、センターを務める「アヤナ」という娘がかなりイカす。まわりの親衛隊風味もほとんどがアヤナファンのようで、雪まつり会場とは思えぬ熱狂ぶりだ。筆者はなぜかモー娘。用のサイリウム(ペンライト)を所持していたため少々迷ったが、今回は大人らしく静観することにした。ホワイト☆ストームは5曲を熱唱し、なぜかアンコールまであって計6曲。もしかしたら全国デビューもあるのでは?と予感させるユニットと言えよう(実際、雪まつりライブのおかげで全国から取材申し込みが殺到していると聞く。誰に聞いたんだろ)。
幸せな気分のままススキノへ戻り、この日も寿司屋に入店。雑誌に「寿司食べ放題の店」と書いてあったので注文すると、「すみません~。食べ放題は予約制なんです~」とのこと。確かに雑誌にもそう書いてあった。仕方なく普通に上寿司をたのんだが、ここの寿司は旨い。言い忘れたが、ポプラ寿司という変な名前の店だった。店のニィちゃんも気さくな人物で、「今日はタコが旨いですよ~」などと誘惑してくる。食べ放題は残念だったが、満足して店を出た。
ホテルまでは100mぐらいだったが、運悪く間にラーメン屋があったので入店。かねがね行ってみたかった「初代一国堂」だ。美味。ビールを飲んでいたため詳しくは思い出せないが、美味なのは確かだ。たぶん。

小樽から長万部経由で帰還!

ついに最終日となった。楽しい時間は過ぎるのが早い。この日も早朝から起きだし、二条市場というお土産通りを散策。ここはさすがに活気にあふれ、客引きも凄まじい。通る店通る店で買うようなフリをしてイクラをごちそうになり、次に進む。イクラを試食していたら本格的に腹が減ってきたので、ある店のおばちゃんおススメの「天勝」という店でイクラ丼を注文。この旅何度目のイクラ丼かもう忘れたが、何度食べても美味。さきほどのおばちゃんに敬意を表し、その店でイクラを買うことにした(自分用ではなく、これまた住所をメールで送ってきた受付嬢うのっち用)。
さて、11時から昨日のホワイト☆ストームが最終公演を行うという情報をゲットしたが、悩みに悩んだ末、断腸の思いでちょっくら小樽まで足を伸ばすことにした。札幌から小樽は普通列車でもすぐ。さっきのイクラ丼であまり腹は減っていないが、雑誌に「50貫5,000円!」と書かれている「栄六」という寿司屋に潜入。さすがに50貫も食べられるわけがない(絶好調時でもビミョ~)ので、20貫2,000円のやつを注文。これでもかなり最後はフーフーだったが、まあまあの味であった。
小樽では結局何の観光もせず、急に乗りたくなってしまった長万部行きの普通列車を楽しむことにした。小樽と長万部の間は、小川がクネクネと流れていたり、羊蹄山がぽっかり浮かんでいたり、景色が最高。昔有珠山が噴火した時に北斗星が迂回経路を走っていたが、その時の景色が忘れられず、いつしかこの路線をもう一度行ってみたいと思っていたのだ。長万部までの3時間、かぶりつきでずっと立ちっぱだったが、全く飽きることなく終点に到着。
長万部からは普通列車の乗り継ぎが大変悪いので、特急列車で新千歳空港入り。予定よりもだいぶ早く着いてしまったため、あまり腹は減っていなかったが、ラーメンでも食べることにした。空港内に「ラーメン道場」というタマネギ先生の出てきそうなスポットが存在する(前からあったっけ?)。ここでは道内の5店舗が軒を連ね、しのぎを削っていた。筆者は迷いに迷った挙げ句、一番奥の札幌ラーメン「ばり屋」に入店。詳しくは忘れたが、美味。それにしても、北海道に来ていながらにして、これでラーメン2杯目。なんというローペースであろう。こんなことではラ会々長の座も危うい。今後に期待である。
まだまだ時間があるので、変な居酒屋風レストランに入り、ビールで粘る。うっかりホッケなどを注文してしまった(ホッケの独り占め、一度やってみたかったのね~)が、ちょうど良い感じの頃に時間がやってきた。帰りの便も窓際だったが、雨が降ってきたため景色はボチボチだった。着陸時にスチュワーデスが「東京国際空港に到着です」と言っていたので、何も知らない筆者は「あれっ?羽田空港じゃないの?間違えた?」と、超不安だった。東京に戻ったらさぞかし暖かいだろうな~と思ったが、案外東京は東京なりの寒さが身にしみるのであった。
今回の旅では、極寒体験が楽しみだったのだが、季節はずれの暖かさにより、残念な結果に終わった。しかし、まあ天気はボチボチだったし、美味しいものをいっぱい食べたし、まあまあの旅だったといえよう。課題といえば、ノロッコ号のナイス車両に乗り損ねたこと、ガリンコ号に乗ってみたかったこと、北方領土が見えなかったこと、などがあげられよう。そして、ホワイト☆ストームのその後が気になって仕方のない筆者なのでありました。
おわり。